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Making of 虹の林檎
Union Computer Graphics

〜MACBINオープニング制作秘話〜

この原稿は、ソフトバンク刊MacUser1996年11月号に掲載された記事を、リファインしてアップロードしたものです。あらかじめご了承ください。

 今月より数ヶ月にわたってMACBINのオープニングを飾らせていただく、Union Computer GraphicsのRioとYouである。このオープニングは、旧技術とコンピューターグラフィックのミクスチャーに、新しい何かを見出すために行う、いわば実験的要素を含んだ挑戦である。ご覧になった読者が、お?これは?と思っていただければ幸いである。
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■そもそもの生い立ち

 連載中さまざまなテクニックに挑戦するが、取り合えず今回のテーマはクレイアニメーションであった。最終的には紆余曲折の末に、かなりクレイからは離れてしまったのであるが、ストップモーションというくくりでオープニングを作るというテーマには違いが無い。
 ここにいたいる経路の始まりはCASIOのデジタルカメラQV-10を使った遊びからである。筆者が、QV-10を使ってデッサン人形を動かし、ストップモーションアニメの制作のお遊びを行ったのである。普段はCGで映像を作っている中にあって、何か新鮮なものを求めた結果であった。
 しかしこれが面白かった。何かもっとできるかも知れない。そういう気を起こさせるのに、十分ないたずらだったのである。しかしQV-10に代表されるデジタルカメラには、マニュアル露出という概念が無い。すべて露出はオートである。従って、画面上の明るさのバランスがくるえば、連続して再生される映像の明るさなどに、一貫性が乏しくなってしまうのである。
 極端な話、人形を正面に捕らえて、腕を振っただけでも影響が出てしまう。これを連続して再生すると、往年の8mmフィルムのようであり、ある種の趣はあるのだが、やはり今一つ物足りない。 

ここで、担当編集の浅井氏に話を持ち掛けた。二人で頭をひねること数十分。ハイエンドデジタルカメラ、ハイエンドデジタルビデオカメラ+コマ撮りキャプチャーとアイデアを出し合っているうちに、浅井氏の中で線がつながった。
 Adobe Premiereの機能としての、ストップモーション取り込みがあったのである。まさしく、ストップモーションアニメ専用と言ってよい機能である。これと、筆者が所有しているHi8のビデオカメラを使用し、人形を動かしては1コマ撮り込み、というプロセスで作業を行うことが決定した。パイロットフィルムを作るテストでも、見た目の映像のばらつきもなく良好なムービーが作成できる事が分かった。
 しかし、次の問題はキャラクターである。筆者は、2Dや現実の物体の造形ができないため、CGを始めたという経緯がある。だれか、その方面に強い人材がいる。
■2Dのプロフェッショナル
 人材としてのセレクトは、従来からイラストレーターとして活躍していたYou女史に話を持ち掛けることで解決した。
 彼女自身はCGをやっていたことがあり、そのキャラクターデザイニングと配色のセンスには、抜群のものがある。またそういったセンスを持ちながら、手書きイラストレーションをウリとするスタンスは、自分のペースを持ったよき協力者として心強い存在である。
 当初は彼女が大阪在住だったこともあり、行き来をしながら作業をする予定であったが、彼女自身も東京進出の転機ということもあり、筆者の事務所に入ってもらうこととなった。
 顔を見てブレインストーミングができるということは、クリエーターにとって重要なファクターである。ストーリーを考える、話す、キャラクターの特徴を述べる。その結果、キャラクターのラフスケッチや、スチール風カットがあがってきたのは、何と翌日であった。しかもクオリティは万全である。

 

 次の問題点は、いかにしてクレイアニメーションの人形を作るか、ということであった。二人とも、本格的なクレイアニメーションの現場を見た事があるわけでもなく、手探りの情報収集が始まった。
 まず各種美術館に行き、情報を収集する。当然のごとくあまりめぼしいものはない。ただ、コマーシャル関係の雑誌に、「とんねるずの皆さんのおかげです」でも有名な「クレイアニメーター」のインタビュー記事が載っており、これを拝借して基礎知識とさせてもらった。
 この記事中のノウハウは非常に価値あるものであった。ただ、敵もさる者、モデリングに関しては詳しく述べていたが、いかにしてアニメーションを作るかに関しては、ほとんど述べていないのである。とりあえず、モデリングは彼の記事に習うことにする。
■素材を集める
 基本的には鉛の芯を使って骨格を作り、接続はハンダ。その上に大きなボディの場合はスチロールのダミーをかまし、さらに米VanAken社製の「PLASTALINA」という、アニメーション用と油粘土を使って人形を作る。先人もこうして作った人形を「動かして」アニメーションしているらしいことが、彼のアトリエの写真から窺い知れた。
 もう一つ参考にしたものに、著名なクレイアニメーション「PINGU」の工房展があった。
 こちらはアニメーションする、顔、手、足などのすべてのパーツを、ユニットごとに1つ1つ作ってあり、これらをコマごとに差し替えてアニメーションしていることが判明する。人形間のばらつきをなくすためには、変形の元となるモデルを粘土型から起こすのである。
 構造としては理解できたが、そんなにたくさんのモデリングをする、時間も予算もスペースも無いので、前者を選択した。
 粘土は「東急ハンズ・渋谷店」で購入することができた。ただ、4色1体の3パターンのみなので、白だけを欲しくても余分に購入しなければならない。バラ売りの存在どころか、ここのほかにこの粘土を見つけることができなかったので、仕方なくこれを大量に購入した。発泡スチロールは、切っても粒状にならないタイプを選び、切り出しには熱線カッターを使用した。鉛線も東急ハンズで手に入れた。すべてここで、事足りる。
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