世紀末のカストラート
第2回
荒野のカストラート
●第3日目大地と海ができた
本日もフレックスである。まったくスチャラカ社員の見本みたいである。FINETの会議室を読破したところ、ホームページのアップロードには、Ws_FTPというソフトが良いことがわかった。GUIで優れていて、UNIXのユの字を知らなくても、簡単にホームページをプロバーダーのホストにアップロードできるそうである(おお、専門的な用語がしゃべれるようになった)。できるはずなのであるが、まだあげるべきホームページはない。会議室を見ていても、基本的なホームページの作成の仕方は皆マスターしているようで、小技やツールの質疑応答が多いのである。余談であるがこの他に、この会議室で仕入れた情報として、GIFファイルというのを扱うのには(なにをどう扱うのかは不明だが)、GIF Construction Setというソフトが良いそうである。特定のラインを超えると、非常に参考になるんだろうな、と思いつつ、頭を抱える。
そう言えば、下地さんにHTMLエディターとかいうソフトをもらっていたような気がする。どこに行ったのか探して、見つけ、インストールする。それがHOTALL95であった。一応GUIを目指しているのであるが、まだまだ不十分な部分が多い。まぁ、それでも何もないよりは数百倍参考になる。まずこのHOTALL95で何か適当に作り、次に、そのファイルをHTMLファイルとして保存して、エディターで読み込み内容を確認する。するとある程度わかることがあった。JAVAがプログラミング言語といったが、HTMLもごく単純な部類のプログラミング言語なのである。
たとえば、<HEAD>という文字列は元の文字列に「/」を加えた</HEAD>という文字列と対を成し、ソース上に何らかの影響を及ぼしているらしいのである。そしてWWWブラウザーはこれらのソースを読み込んでコンパイルし、画面に表示している。いや、感覚的にはBASICのように、ソースをそのまま実行しているようなのである。たとえば、基本的なホームページの構造は
<HTML>
<HEAD>
..........
</HEAD>
<BODY>
...........
...........
</BODY>
</HTML>
という構造になる。そして、これらの中に文字や、画像ファイルが挿入されて、ホームページが構成されるのもわかった。しかし、対にならない暗号が存在したり、違う文章にジャンプする暗号は、今一つ理解できない。
というより、ホームページはこれほどまでに流行っているのに、この暗号をちゃんと取り扱った辞書みたいなものはないのか!?。
と思っていたら、また気絶したまま朝になっていた。
●第4日目植物が生まれた
ヤバイ。朝おきるとまた気絶していた自分に気づいた。しかも時間は9時を過ぎている。うーむ。このままではらちが明かない。とりあえず会社に電話をする。
「もしもし、●●自動車経理部3課です。」
よしっ!。私のチームの頭の不自由な事務員”るんるん”が出た!。
「るんるん?。文月ですけど。ちょっと急に仕事に必要な資料があって、東京の本社の資料室に行ってきますんで、今日はそっちにいかないからね。」
「はーい。・・えっとぉ。今日の私の仕事は?」
「あー。適当に回ってきた伝票処理して、終わったらお茶飲んでクロスワードパズルやっといて。」
「はーい。」
「それから、購買課の連中が難か文句言ってきても、『わたしわかんなーい』ブリブリで撃退しといてね。」
「はーい。じゃーねー。」
優秀な部下である。というわけで、私は本社に出張することになった。多分もう一人の部下は、先週インドから帰ってきたばっかりなので、麻薬が抜けずボーっとしているはずだから、誰も私の行方をチェイスできないはずである。ということで、本社はすっぽかして秋葉原出張となったのであうる。
しかし、秋葉原に行ったところで、特に変化はなかった。厚木では2〜3冊しかなかった本が、うずたかく山積みになっているだけである。うー、やっぱあのアイドルのホームページ本を手本に作るしかないのか。ところが秋葉原には神様がいた。以前も私がサウンドブラスターとCD-ROMドライブをつなぐケーブルを探していたとき、ぜんぜん知らないオッサンが、私に「ラオックス・ザ・コン館へ行け」と言って、スタスタと立ち去っていった事がある。今度の奇跡はT・ZONEミナミの上ににあるインターネットカフェで起こった。ここは喫茶店という閉鎖された空間ではなく、通路の両脇に作られたオープンカフェ風なので、道すがら、人々が何のサイトを見ているかわかるのである。私がそこを通りがかったとき、明らかにサボりのサラリーマンとOLらしき二人連れが座っていた。男が女に誇らしくこういう。
「ホームページを勉強したかったらここさ。何使ったらいいか・・・・」
私は思わずその二人の間に割って入った。
「そのアドレス、教えて!」
あの時の2人よ。サカっているところを、邪魔してゴメン。
●第5日目動物が生まれた
そのサイトの名前は「HTMLメモ集」*1。なんかどっかで見た事があったのであるが、あまりに名前が簡素だから、まさかこんなに高機能だとは思わなかったのである。申し訳ない。アドレスは「http://w3.lab.kdd.co.jp/technotes/」である。KDDの研究機関がやっているのであるが、味噌はトップのページから見ても、いったいこの技術メモがどこにあるのかわからない事である。従って、直接叩いて入るしかない。入るとそこはエデンの園=パラダイスであった。まるでヘレンケラーが水を水と認識し「ワーター」と叫んだように、「HTMLー!」と叫びたい気分であった。このサイトを見えれば、タグをどう記述すればいいのか、あるいはブラウザーごとにどう機能が違うのかなど一目瞭然なのである。しかも、別途ソフトが必要な場合は、その場所へのリンクが貼ってある。
OK!私は目覚めた!
どんな機能があって、何ができるのかを理解するために、このホームページにあるすべてのページをプリントアウトし、会社からパクってきてあった、厚手のバインダーに閉じた。厚さ5cmはあろうかというバインダーが見る見るうちに埋まって行く。そしてプリントアウトししている時間待ちにまたサーフィンし、気になったページは「ソース表示」をして確認。その内容を、辞書を片手に読み下して行くのである。わかるわかる。そのうちHTMLの綺麗さまで理解できるようになってきた。このソースは汚い、とかわかるのである。そして、タグが理解できるようになったのと同時に、HTMLエディターとして借りてきたHOTALL95は、Internet Explorerあるいは、Netscape Navigatorの機能をフルに使い切るには、少々力不足であることを理解した。どうやら一番よい方法は、「秀丸」など、特定の語句を強調表示できるエディターを使って、ガリガリ手で書くということも理解できた。
ガリガリ・ガリガリ・カリカリ・カカカカ・・・・・・
また寝てしまった。
本当にホームページはできるのだろうか・・・
*1 現在は構成が変わっており、内容も細分化されてきつつあるが、基本的に優秀なサイトであることには変わり無い。ぜひ閲覧してみて欲しい。